本計画は、京都御所西側の閑静な街区に位置する分譲マンションの一室を対象に、工務店による買取再販事業として実施された改修プロジェクトである。購入層としては資産的に余裕を持つディンクスや退職後の二人暮らしを主に想定し、壁式鉄筋コンクリート構造という大幅な間取り変更が困難な条件下で、如何に質の高い住空間を創出するかが課題となった。
計画では個室を最小限に抑制し、玄関からLDKへと連続する空間の広がりを最大化。室内には柔らかな自然光が広がり、簡素な構成ながら素材の質感を際立たせることで、落ち着いた佇まいを実現している。仕上げには大谷石やオークフローリング、シナ合板を用い、触感としての温もりと視覚的な静けさを両立。またLDKには床暖房を備え、冬期も足元から快適な環境を提供する。
キッチンにはデザイン性と機能性に優れたグラフテクトを採用し、浴室や洗面も全面的に更新。動線を整理しながら上質な使い勝手を追求した。さらに照明計画では黒のディテールを挿入し、自然素材の穏やかさに都市的な緊張感を与えている。こうして日常に静かに寄り添いながら、住まい手の時間を豊かにする空間を目指した計画である。
主要用途 住宅(共同住宅)
規模・構造 鉄筋コンクリート造 5階建て 専有部改修
専有床面積 83.06 m2 ( 25.12 坪 )
□主要内装仕上げ
内壁 クロス貼り(サンゲツ)、繊維強化セメント板貼り(サンワカンパニー)
床 複合オークフローリング(ニッシンイクス)、大谷石敷き、CFシート(サンゲツ)
天井 クロス貼り(サンゲツ)
カウンター ゴム集成材
建具 シナ合板フラッシュ
取手等 カワジュン
厨房機器 グラフテクト(株式会社TJMデザイン)
衛生機器 LIXIL
照明器具 コイズミ、Panasonic、その他

