MAKI NO YADO 都島リバーサイド

計画期間
2024.02~2024.06
施工期間
2025.06~2025.08
所在地
大阪府大阪市都島区善源寺町1丁目10−2
PHOTO
森田 真悠
CL
株式会社 野村工務店
設計
coil松村一輝建築設計事務所
施工
株式会社 野村工務店
プロデュース
京都烏丸ル不動産株式会社

大阪市都島区の住宅街に建つ民泊施設の改修計画です。施主は分譲住宅や家具、カフェ、宿泊業と多角的に事業を展開しており、すでに宿泊業のひとつとして稼働していた本物件にて、海外旅行者をメインターゲットとして、より稼働率を上げたいとの要望がありました。

設計では、日本的な素材感と陰影の扱いをテーマに再構築しています。壁と天井には備長炭入り土佐和紙を用いて灰色を基調とし、床はカバフローリング、建具はシナフラッシュの白木寄りの色調で統一。外部開口部には細身の桟を組んだ障子を加え、柔らかな光を内部に導きました。玄関土間には瓦タイルを乱貼りにし、欅の塊を腰掛けに据え、手仕事の跡を残す無釉タイルの壁が正面に立ち上がっています。

メインのリビング空間にある薪ストーブと石貼りの壁は既存利用ですが、全体の仕上げを整えることで施設の顔となる存在に転じています。ダイニングテーブルは設計者のデザインによるものを、施主企業の家具部門が製作しています。和室は玄関側からの動線を改め、LDKと一体化するように計画し、無釉タイル壁と間接照明の演出により、連続した空間として取り込んでいます。
浴室は坪庭を望む黒タイル仕上げとし、落ち着きある空間で、旅の疲れをゆっくりと癒して貰えるようにと考えました。
床の間にはハタノワタル氏の書「川」を掛け、既存解体による欠損跡には槌目加工の真鍮板を嵌め込むなど、細部にも遊び心と拘りを加えてあります。

これらの改修全体を通じて、日本の陰影や素材の魅力を体験し、旅の記憶に残る場となる事を目指しました。


主要用途 民泊(特区民泊)
規模・構造 木造 2階建て 改修工事
用途地域: 第一種住居地域 防火地域:準防火地域
前面道路幅員 4m
敷地面積 160.15 m2 ( 48.49 坪 ) 
建築面積 81.45 m2 ( 24.66 坪 ) 
延床面積         144.82 m2 ( 43.85 坪 ) 
1階床面積         81.45 m2 ( 24.66 坪 )
2階床面積         63.37 m2 ( 19.19 坪 ) 

□主要外装仕上げ
屋根  既存利用
外壁  既存利用
サッシ 既存利用
塀 焼杉(共栄木材)
サイン ウォールナット一枚板(木の物語工房)

□主要内装仕上げ
内壁 土佐和紙貼り(ハウスシステム)、無釉タイル(織部製陶)、浴室・洗面タイル(名古屋モザイク)
床 カバフローリング(スタンダードレーベル)、CFシート(サンゲツ)、玄関土間瓦タイル(大栄窯業)、薪ストーブ前タイル既存利用
天井 土佐和紙貼り(ハウスシステム)、ラワン合板、バスパネル(フクビ)、クロス(サンゲツ)
建具 シナ合板フラッシュ、障子、既製品(LIXIL)
階段 既存利用
ダイニングテーブル 制作 天板ポプラ巾ハギ+脚スチール塗装(木の物語工房)
玄関腰掛け 欅角材・栃スポルテッド(有限会社 橘商店)
書(掛け軸) ハタノワタル
真鍮板槌目加工 平田 浩二
厨房機器 ウッドワン、リンナイ
取手金物 上手工作所
衛生機器 ジャニス、ミラタップ、カクダイ、SANEI、LIXIL、山崎実業
照明器具 DAIKO、コイズミ、Panasonic
薪ストーブ 既存利用

大工 株式会社 野村工務店 杉村 守、平田 浩二、中濱 一
クロス ブエナビスタ
建具 田中建具
畳 AVANCE
タイル エムエム
防水 AVANCE
解体 西田技建
電気設備 共栄冷熱
衛生設備 AVANCE
外構 雄貴建設
FFE ARIA 有吉 寿和
サインデザイン bond tokyo 園田 曜一

※写真撮影 一部 coil松村一輝建築設計事務所

 

 

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