敷地は、和歌山にある世界遺産にも指定されている雄大な自然と歴史を持つ熊野古道沿いになります。
住宅兼アトリエとして使われていた複数の建物を利用し(一部解体)、 受付・共有スペースを含む主屋棟、シャワー棟、離れとなる客室棟の3棟からなる 宿泊施設としてコンバージョンしました。
外観は、既存建物を活用しつつ、棟毎によりチグハグだった仕上げから、 地元紀州杉板での上貼りで統一して、年月の経過とともに、風合いを増し、 熊野古道にふさわしい佇まいとなってくれるよう計画しました。
内部の構成としては、高原の雄大な自然に向け開いた共有スペースとして、 集まり食事や語らいの場となるリビングスペース、外部へと繋がりBBQや焚火を楽しめるテラススペース、収穫や育成を楽しめるファームスペースを、 交流が生まれる「点」として配置し、 トイレと洗面を備えつけたシンプルな和室の客室からの繋がり「線」が生まれる事を意図した平面計画としています。
意匠面では、木に包まれながらも、ログハウスの様な拗さを持たない様、 デティールでシナ合板のもつ小口の積層面を意匠として見せるなど、 木の表情と製品がもつドライ感とを両立するよう心掛けました。
また、今後継続して「SEN.RETOREAT」というブランド名称のもと、 宿泊をメインに、継続して熊野古道周辺に複数の拠点を増やし、 それらの地域住民と熊野古道を巡礼する人々とを繋ぐ場所が点となり、そこが線で繋がり、さらに面として拡がっていく事で、 地域の新しいコミュニティが産まれるのを想定した計画でもあります。
敷地面積 1347.87 m2 ( 407.86 坪 )
建築面積 160.01 m2 ( 48.45 坪 )
延床面積 181.72 m2 ( 55.03 坪 )
A棟床面積 122.54 m2 ( 37.11 坪 )
B棟床面積 14.55 m2 ( 4.41 坪 )
C棟床面積 44.63 m 2( 13.52 坪 )